浜松中央に暮らすHAMAMATSUCHUOareaguide

「アクト通りふれあいデイ」などイベント活動を通じて、浜松のまちづくりを支援する「浜松まちづくり公社」インタビュー

「浜松」駅前に位置する浜松中央エリアでは、バスターミナルの地下に広がる「浜松駅前広場」やシンボル道路となる「アクト通り」など、快適に利用できる公共空間が整備されています。地域の方がこれらの空間を活用したイベントを開催するほか、まちをもりあげるためのさまざまな活動をされており、まちには活気があふれています。「一般財団法人 浜松まちづくり公社」の活動を通してどのようなまちづくりが進められているのか、まちづくり課 加茂訓子さんにお話を伺いました。また、浜松市の魅力についても教えていただきました。

まちづくり課 加茂訓子さん
まちづくり課 加茂訓子さん

まちのにぎわいをめざす「一般財団法人 浜松まちづくり公社」

――浜松まちづくり公社さんの主な活動内容を教えてください。

加茂さん 私たちの活動は多岐にわたります。まちづくりの部分に関しては行政でも民間でもない中間支援組織的な役割を担い、「アクト通りふれあいデイ」といったまちづくり活動の支援、普及啓発、調査研究などを行っています。そのほか、区画整理などの都市整備、「浜松」駅前のバスターミナル地下にある「浜松駅前広場」の管理などを行っています。

「アクト通りふれあいデイ」大学生による体験ブースの様子
「アクト通りふれあいデイ」大学生による体験ブースの様子

ここ数年はお休みしていますが、小学生のまちづくり学習支援もしています。みなさんが住んでるまちは、おじいさんやおばあさんのような上の世代の方が住みよいまちについて話し合い、住み良いまちづくりに取り組んできたこと、子ども達にできるのは、ゴミを捨てないとか、ゴミを拾うとか、公園の草取りに参加するとか、「こんなまちになったら良いな」と考えることからまちを大切にする気持ちがまちづくりにつながることなどを伝えています。

「アクト通り」
「アクト通り」

――浜松まちづくり公社さんが管理している「浜松駅前広場」では、どのような取り組みをされていますか?

加茂さん 公共空間の利活用として、まちなかのにぎわい創出のために一般の方へのイベントや物販、飲食店の出店など貸し出し出しや、浜松ミュージックバンクに登録しているさまざまなジャンルのミュージシャンの演奏の場として利用していただいています。

「浜松駅前広場」はミュージシャンの演奏の場としても利用されている
「浜松駅前広場」はミュージシャンの演奏の場としても利用されている

浜松市全体も中心市街地もあちこちに魅力が点在

――加茂さんが感じる浜松市の魅力を教えてください。

加茂さん 2005(平成17)年の合併後、浜松市は広域になり、南は海、北は山間地域がある市となりました。同じ市でありながら気候が異なるなどの特徴もあります。浜松中央エリアは一年を通して温暖で雪はほとんど降らないので過ごしやすく、新幹線も通っていて東にも西にも行きやすい。市街地なら遠州鉄道やバスといった公共交通機関の利用ができますし、車があれば郊外地区の大型ショッピングセンターに出かけることもできる便利なまちです。

「まちづくりフォーラム」の様子
「まちづくりフォーラム」の様子

――実際に住まわれている市民のみなさんの声はいかがでしょうか。

加茂さん 事業の一つでもある「まちづくりフォーラム」の活動で、2022(令和4)年10月にまちなかの魅力や好きな場所について市民アンケートをとりました。最も多かった回答が「アクトシティ浜松」や「アクト通り」で、買い物スポットなら「遠鉄百貨店」や「浜松駅ビル メイワン」、中学生に人気があったのは「ザザシティ浜松」でした。「浜松城」や「浜松城公園」も挙げられていて、昨年は大河ドラマ「どうする家康」の影響もあったためかたくさんの観光客にも来ていただけました。あちこちに色々な魅力があってまちなかは路地も多いので、散策しながら発見を楽しめるまちだと思います。

「浜松駅前広場」の様子
「浜松駅前広場」の様子

地域の声で継続開催、地域の活力が集結した「アクト通りふれあいデイ」

――浜松は「浜松」駅から広がる「アクト通り」の雰囲気が特徴的ですが、昔と比べて変化はあるでしょうか。

加茂さん 浜松市の事業として1987(昭和62)年に決定された「浜松」駅前の区画整理事業により、2005(平成17)年にアクト通りが完成し、2008(平成20)年に完工しました。道路が拡張し、官公庁や大学の誘致も行われてきたことで、随分とまちの雰囲気は変わりました。私の個人的な感想ですが、「アクト通り」にメタセコイアの並木が続くまちなかの風景は、全国でも珍しいのではないでしょうか。夏は葉が緑に、秋は紅葉するので、四季の風景を感じられる通りです。街灯が灯る夜も素敵な景観です。

――「アクト通り」で開催されているイベントについて教えてください。

加茂さん これまでに、浜松花と緑の祭実行委員会さん主催の「浜松花と緑の祭」や浜松餃子学会さん主催の「浜松餃子まつり」などが行われています。また、私たちが会議事務局を務めるアクト通り利活用事業実行委員会では、「アクト通りふれあいデイ」を毎月第3日曜日に開催しています。

――「アクト通りふれあいデイ」について詳しく教えてください。

加茂さん まちのにぎわいづくり、地域住民の交流の場づくりをコンセプトに開催しているイベントで、ステージイベントもありながら、出展者さんのペースでゆるやかに開催しています。私たちも自由に絵を描けるコーナー「地面でお絵描き!」を出展しています。出展者も来場者もいろんな世代の方がいて、みなさん、楽しみに来てくださり、大変、ありがたく思っています。

「地面でお絵かき!」は子どもたちにも人気
「地面でお絵かき!」は子どもたちにも人気

――開催は100回を超えていますね。

加茂さん 「アクト通りふれあいデイ」の始まりは2014(平成26)年の11月、浜松市の単独主催で朝市のような雰囲気で開催されました。その後、浜松市、地域の自治会、まちづくり会議、静岡文化芸術大学、そして、私たち浜松まちづくり公社が集まった利活用検討会議を何度も開催しました。当初は翌年の3月に終了する予定だったのですが、機運が高まって2015(平成27)年の2月に「アクト通り利活用事業実行委員会」を結成し、継続していくことになりました。

物販もしますが、大きな目的は地域の方々の交流や協力し合ってまちを盛り上げること。コロナ禍に入った2020(令和2)年3月に委員の高齢化や担い手不足等によりいったん、終了したのですが、出展者だった浜松学院大学生の皆さんから「私たちが運営を担うので、続けることはできませんか」という相談があり、実行員会に浜松学院大学さんも加わり、2021(令和3)年9月に再開することになりました。イベント開催の事務局は浜松学院大学地域共創センターさん、運営はNPO法人わたぼうしグランドデザイン(大学生NPO法人)さんが担い、いろいろな組織、世代で構成している実行委員会みんなで協力しながら一緒に開催をしています。

アクト通りふれあいデイのチラシ
アクト通りふれあいデイのチラシ

まちづくりを目指す中で、今のところ出展は無料です。とは言っても運営費は必要なので「アクト通り利活用実行委員会」では、法多山団子(将軍家から「くし団子」と命名された厄除け団子)を買い付け販売した売上げで賄っています。ぜひ、みなさんにおいしいお団子を食べてイベントを楽しんでいただきたいと思います。

各種フリーペーパーをチェック
各種フリーペーパーをチェック

浜松まちづくり公社が地域力をつなぐ役割を担い、さらなるにぎわいをうむまちへ

――みなさんが協力し合いながらまちづくりをされているのですね。

加茂さん 自治会組織がとても活躍されている都市だと思います。運動会、夏祭り、年末の大掃除の後に餅つきなど、また、5月に行われる浜松まつりでは自治会単位で屋台を出されます。そのため、私たちも自治会さんとの連携は欠かさず、私たちが自治会活動を応援するとともに、反対に私たちから地域の方の協力を仰ぐこともあります。

――今後、まちづくりに期待されることを教えてください。

加茂さん 各種団体、企業も含めさまざまな組織が各分野で活動されているので、それぞれと連携をとり、全体でまちづくり活動に取り組めるようになるといいな、と思います。そのため、私たちはそれぞれの活動に関する情報発信をしたり、組織同士をつなげたり、相談や目標づくり、課題解決に取り組むなど、まちづくり活動支援をしていきます。組織間だけでなく、SNSの発信が上手な若者にも手伝ってもらうなど、あらゆる世代の方が協力し合うことで相乗効果を生み、中心市街地を楽しめる空間や時間をつくることにつながると思います。

浜松市の街並み
浜松市の街並み

――空き家対策のまちづくり活動もされていると聞きましたが。

加茂さん 遠方に住まわれている方の心配ごとを相談いただける、空き家見守りサービスを行っています。また、まちづくり活動を応援していると、例えば子どもの見守り活動の拠点などの自分たちの活動の場を探している方が多いのですが、そのような方達に向けた空き家利活用の情報収集、発信への取り組みも目指すところです。

――加茂さんが好きな浜松市のおすすめのスポットを教えてください。

加茂さん 「アクト通り」の景観も好きですし、「アクトシティ浜松」の屋上庭園は、上からも下からの景観も好きです。まちなかにはまだ古い建物が残っているので、建物の作り方やいつ頃建築の建物かな、と建物を見ながら散策をするのも面白いのではないかな、と思います。

――浜松中央エリアに住むことを検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

加茂さん 「浜松」駅前に広がる浜松中央エリアは便利なまちで、住みやすいまちだと感じています。浜松市全体でみると自然が豊富、いろんな食べ物もおいしい、海あり山あり、四季を楽しめる都市です。最初にもお伝えしましたが、雪が降らず、一年を通して温暖なのは魅力の1つだと思います。目標の実現に向けて、やるときはやるぞという「やらまいか精神」があり、仲間と一緒に力を出して成し遂げる活力が根付いているように思います。浜松市には移住・就業支援制度もあるので、まずは気軽に市役所にお問い合わせされるといいのではないでしょうか。

「一般社団法人 浜松まちづくり公社」
「一般社団法人 浜松まちづくり公社」

一般財団法人 浜松まちづくり公社

まちづくり課 加茂 訓子さん
所在地:静岡県浜松市中央区中央1-2-1 イーステージ浜松 オフィス棟7階
電話番号:053-457-2612
URL:https://www.hamamatsu-machi.jp
※この情報は2024(令和6)年1月時点のものです。

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