スペシャルインタビュー

都市部と中山間地域の魅力を併せ持った街の魅力と未来「浜松市役所 都市計画課」インタビュー

浜松市は静岡県の西部、遠州地方に位置し、政令指定都市と国際会議観光都市に指定されている、静岡県最大の都市だ。古くから数多くの企業が集積・発展した技術集積都市であり、四方を海、山、川、湖に囲まれ、豊かな自然環境も魅力だ。

経済・文化・観光の中心地として、更なる発展を目指す浜松市では、中枢となる「浜松」駅前での再開発も進んでいる。今回は、浜松市の街としての魅力や今後の展望など、浜松市役所 都市計画課の磯部さんからお話を伺いました。

「浜松市都市計画マスタープラン」リーフレットより抜粋
「浜松市都市計画マスタープラン」リーフレットより抜粋

――まずは浜松市が目指すまちづくりの基本方針や、将来的なビジョンについて教えてください。

総合計画では、将来都市像を『市民協働で築く、未来へ輝く創造都市・浜松』としています。医療や福祉、教育、産業など、様々な分野での取り組みが展開されていますが、都市を形づくるという意味では、まちづくりの基本的な考え方として「コンパクトでメリハリの効いたまちづくり」を進めています。

2021(令和3)年3月に改定する都市計画マスタープランでは、「多彩に輝き、持続的に発展する都市」を基本理念として、「コンパクトで暮らしやすい持続可能な都市づくり」など、都市計画の5つの目標を定め、それらの実現に向けてまちづくりを進めていきます。

――コンパクトシティを目指す経緯や取り組みなど詳細を伺えますか。

他の多くの街と同じく、浜松市でも少子高齢化や人口減少が始まっています。現在の大きく拡がった街の仕組みで人口だけが減っていく事になると、お店や施設、公共交通などは利用者が減少してしまい、機能の維持が難しい地域が出てきてしまうでしょう。また、全てのインフラを管理していくことも難しくなってきます。こういった課題を解決していくため、「コンパクトシティ」の考え方が必要だと考えています。

浜松市では、いくつかの主要な駅やバス停の周辺を、お店やサービスの集まる拠点として捉え、その拠点から他の拠点・都心まで、公共交通でアクセスできる「拠点ネットワーク型」のコンパクトシティを目指しています。拠点の周辺や公共交通の沿線には多くの人が住み、拠点や公共交通を利用することで、人口減少が進んでいく中でも必要なサービスが効率よく提供され、例えば車を持たなくても便利に生活でき、健康で環境にもよい、持続可能な都市になると考えています。

実現に向けては、2019(平成31)年1月に浜松市立地適正化計画を策定し、お店やサービスを集める拠点と、人口密度を維持するために住まいを誘導するエリアなどを定めました。今後は、拠点周辺の整備を進めたり、浜松に引っ越しされる際に、そのエリアをより魅力的に整えていけるように取り組みを充実していきたいと考えています。

「浜松市都市計画マスタープラン」リーフレットより抜粋
「浜松市都市計画マスタープラン」リーフレットより抜粋

――歴史的資源の活用や、遊休不動産の活用など、新たな取り組みもあると伺いました。

浜松市は“出世の街”としてプロモーションを続けています。浜松市には、江戸幕府300年の原点となった「浜松城」がありますが、こちらは徳川家康公が29歳の時に築城し、17年間在城し、天下統一への足がかりとして、また徳川260年の歴史を刻むための基盤作りとなった重要な城でした。

家康公が城を離れた後の歴代城主からは幕府の要職に登用された者が輩出され、のちに浜松城は出世城と呼ばれるようになったのですが、古くから出世運が根付いている地と言えますね。

出世城とも呼ばれる、「浜松城」
出世城とも呼ばれる、「浜松城」

遊休不動産の活用という点では、浜松市は平成26年度より、都心部等における空き店舗、空き床等について、リノベーションによる有効活用に向けた支援を行っています。リノベーション事業の推進と合わせて、まちづくりの担い手の育成も行い、都心部等の活性化を図っています。

具体的には、実在する遊休不動産を題材に、新しい使い方を考え、実践するリノベーションスクールを開催しており、これまで多くの市民、企業に参加していただき、様々な事業プランを実現化してきました。今後も、この取り組みを継続することで、都心部等のエリアの再生を目指していきます。

――浜松市中心市街地活性化基本計画がありますが、元目町も含む計画区域はどのようなエリアなのでしょうか。

浜松駅周辺の都市再生緊急整備地域及び大型商業施設進出支援区域を中心として、220haを計画区域として設定しています。都市再生緊急整備地域の東側には、シビックコア地区整備事業等により行政機関や公共公益機関の集約が図られています。

また、高層マンションの建設も盛んな業務・居住機能の中心区域の北側や西側(元目町を含むエリア)は、「浜松城」や「東照宮」などの歴史文化遺産が立地している区域でもあります。他にも、南側は商業業務施設及び都市型住宅の立地を目的に土地区画整備事業を行っています。

歴史文化遺産や先述の計画区域外で、「浜松科学館」等も区域に含まれているのですが、それらは「浜松」駅からの動線整備や中心市街地全体の回遊性を高めることで、都市型観光の振興と来街者の増加を目的としています。

――JR「浜松」駅前では再開発が進んでいますが、暮らしやすさにどのような発展があったのでしょう。

浜松駅周辺では、「市民の暮らしを支え、都市活力を創出する拠点」として、これまで鉄道高架化、土地区画整理事業や市街地再開発事業などが実施されてきました。市民や市外から訪れる方が利用する商業・業務施設や公共施設、また、都市型住宅の集積が進むとともに、渋滞解消等による交通環境の向上、美しさと潤いを兼ね備えた空間の創出が図られてきたのです。

最近では、バスターミナルのすぐ北側で市街地再開発事業が実施され、ビジネスホテルや商業店舗を併設した高層マンションなどが建設され、まちなかの賑わいの創出に繋がっています。

また、浜松駅へ行くために鍛治町通りを地下道で横断していたところを横断歩道の設置により平面横断ができるようにしたことで、ユニバーサルデザインに配慮した駅へのアクセスはもちろん、まちなかを歩いて楽しめる回遊性の向上に繋がっています。

「浜松」駅前の様子
「浜松」駅前の様子

そして、高層マンションの建設やコワーキング事業の推進などによって、居住人口や就業人口増加もみられます。他にも、公共空間を利用した民間主体のイベントが年間を通して開催されていたり、先ほどのリノベーションスクールの開催などによって、空き店舗区画の改善が図られています。そうした複合的な理由からも、まちなかの歩行者通行量が増加してきていますね。

――おすすめのスポットや施設を教えてください

最近、徳川家康公ゆかりの地を歩いて巡る「家康の散歩道」をリニューアルしました。この散歩道は合戦ルートと場内・城下ルートの2種類があり、場内・城下ルートは家康公が居城した浜松城とその城下町をめぐるルートで、市街地からでも周遊可能なコースとなっています。浜松の歴史を感じながら浜松の街を楽しんでいただけると嬉しいですね。

浜松城公園
浜松城公園

――浜松エリアの魅力や、地域の特色を教えてください

浜松市は東京都と大阪府のほぼ中間に位置し、日本で2番目に広い市域を有しています。四方を海、山、川、湖に囲まれ、都市部と中山間地域を併せ持ち、日本を凝縮したような特性を持つことから「国土縮図型都市」と呼ばれています。

産業面では、スズキやヤマハ、本田技研工業、河合楽器製作所といった世界でも名だたる企業が誕生するなど、「ものづくりのまち」として大きな発展を遂げてきました。浜名湖のうなぎや遠州灘天然とらふぐ、三ヶ日みかんなど、豊かな自然に育まれた食材も豊富ですね。

また、浜松の観光・広いエリアに多彩な観光ポイントがいっぱいあります。多彩な自然に囲まれているほか、徳川家康公ゆかりの浜松城などの歴史遺産、楽器や自動車をはじめとする産業観光施設も充実するなど、様々なジャンルの観光スポットが豊富です。また、四季折々に開催されるイベントも魅力です。

――最後に、これから浜松エリアにお住まいになる方に向けて、メッセージをお願いします。

浜松市は都心から中山間地まで、多様な暮らしのニーズにお応えできる都市です。それぞれの暮らし方に合わせて浜松市の魅力を堪能してください!

浜松市役所

浜松市観光・都市計画課
所在地 :浜松市中区元城町103-2
電話番号:053-457-2293
URL:https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/
※この情報は2021(令和3)年3月時点のものです。