中心市街地の活性化とコンパクトシティの推進を図る、静岡市清水地区の計画とは

静岡市では、「静岡市中心市街地活性化基本計画」を策定し、官民をあげて中心市街地の活性化やコンパクトシティの推進を行っている。今回はそんな計画を進める静岡市の商業・まちなか活性化係の副主幹である山野井伸吾さんと、清水地区の計画と担当する小田裕康さんにお話を伺った。

清水区広報キャラクター「シズラ」と一緒に
清水区広報キャラクター「シズラ」と一緒に

静岡地区と清水地区で進められている街の活性化計画

――「静岡市中心市街地活性化基本計画」の概要についてお教えください

山野井さん:計画は平成21年~25年の一期、平成28年~32年の二期と分けて進められています。中心市街地の全般的な活力が、昭和後期から減退傾向にあり、活性化を推進していかなければならないということで計画が始まりました。特に中心市街地は街の顔ですので、ここの元気がなくなると市全体の底上げができないということになるので、取り組みとしてもとめられたのが計画がはじまった背景です。

「静岡市中心市街地活性化基本計画」の資料
「静岡市中心市街地活性化基本計画」の資料

――一期の計画ではどんなことをされてきたのでしょうか?

小田さん:当初は法律の縛りもあり、静岡地区と清水地区、別々の計画を予定してたんです。法律が改正されて一都市で二つの計画を進めてもよいことになりましたので、静岡と清水を合わせたひとつの計画で策定しました。これは全国初の事例となっています。

山野井さん:静岡は商業都市で、清水は清水港要する港町としての物流機能や、水辺に近いという観光的な色合いが強い街ですので、それに合うような計画を立てました。

――民間との連携はいかがでしょうか?

山野井さん:計画作りのところから産官民が協力して進めています。産業でいうと商工会議所や静岡市街づくり公社を中心として、商店街、松坂屋、伊勢丹、ドリームプラザなどの商業施設、静岡鉄道、民でいうと、「I LOVE 静岡協議会」という、県の民放4局を中心に全部で450近い会員を有する街づくりの協議会があります。そちらも参加しています。

小田さん:清水地区で言いますと、コーデックスという清水の駅前の商店街の空き店舗情報の発信や、そこの場所を利用したイベントをやっている団体にも参加して頂いています。

山野井さん:計画には全部で129事業ありますが、決して行政のものだけではなく、民間の皆さんと一緒に活性化を推進します、という計画だったんです。

――一期で計画していた事業は全て実行されたのでしょうか?

山野井さん:静岡祭りや大道芸など、今も継続しているものもあります。静岡地区でいうと、「新静岡セノバ」や葵タワー、呉服町タワー、市立病院などの建設、駿府城公園のひつじさる櫓の復元なども行いました。

小田さん:清水地区では、東口の「静岡市清水文化会館(マリナート)」の建設や、西口では、「清水魚市場 河岸の市」や、エジリアというビルでは、「静岡市こどもクリエイティブタウン ま・あ・る」という子どものための社会学習施設も設置しました。また、駅の西口のロータリー整備なども行いました。

静岡市清水文化会館(マリナート)
静岡市清水文化会館(マリナート)

山野井さん:中心市街地の活性化というと、商店街の活性化とイコールで捉えられがちなのですが、実はそうではなくて、商業の振興はメインに置きつつも、市街地の整備や街中居住の推進、教育・文化・医療などの環境整備もしています。そういったものが一体となって、中心市街地の活性化につながっていくかと思います。

――それによって、人が住んだり来たりして、結果的に賑わうにつながるというイメージですね

山野井さん:一言でいうと、コンパクトシティの推進です。中心市街地の活性化は、コンパクトシティの推進と表裏一体だと思います。

平成28年からは二期計画が開始

お話し頂いた山野井さんと小田さん
お話し頂いた山野井さんと小田さん

――二期の計画ではどういったものを行う予定ですか?

小田さん:二期では、目標が二つあるんですが、目指す街としては、賑わいや活力を街に生み出すというのが一つ。二つ目が、回遊性や滞在性、街に来てくれた方の快適性などを向上させていこうということを目標に掲げています。

山野井さん:静岡地区は、駿府城があって城下町として栄えた来た街ですので、それを基礎に商業の機能を特に重点的に向上させていこうという取り組みを、大きな方向性として推奨します。一方、清水地区については、世界文化遺産に登録された「三保の松原」や、マグロ、清水エスパルス、ちびまる子ちゃんなど、清水ならではの地域資源が非常に多くありますので、そういったもの活かし、観光機能の拡充を最重点としています。

小田さん:清水地区は、駅の西口に「西友 清水店」があったのですが、そこの跡地を利用して民間企業が、ホテル棟、商業施設棟、マンション棟の3つの建物の建設を進めています。

西友の跡地
西友の跡地

山野井さん:静岡地区は歴史文化施設の整備を検討していますが、清水地区では、海洋文化拠点の整備を行うことを検討してます。物流中心の働く港から楽しむ港へと機能を転用して賑わいを創出する。そんなところも考えております。そのために、客船の誘致を図るべく、県が管理をしている上屋の一つを賑わい拠点として転用することを、静岡県と静岡市と関係者で検討しています。

小田さん:港町としての顔以外にも、井尻宿という東海道の宿場町があるなど、歴史的な一面もありますので、二つの面を活かしながら、これからも中心市街地の活性化につなげて行きたいと考えています。

――地域の住民との関わりというのは、先ほどの協議会以外にはありますか?

山野井さん:「静岡市清水文化会館(マリナート)」で、情報交換会を行っていますが、「静岡市清水文化会館(マリナート)」や「静岡市こどもクリエイティブタウン ま・あ・る」でのイベントの企画など、横のつながりができるきっかけになっています。

小田さん:計画には載っていませんが、清水のまちなかを活性化さしていくというテーマで、空き店舗や遊休不動産を賑わいづくりの場にしていこうという取り組みもしています。港の部分と、まちなかの部分、それぞれに磨きをかけ、回遊性を上昇させ、最終的に街全体が盛り上がってくれればと思っています。具体例で言うと、港ではインバウンド事業の強化、まちなかの部分では歴史ある七夕まつりや、富士山コスプレ世界大会などの新しい文化も取り込んでいきながら、新旧の文化を融合させて賑わいを作っていきます。

エジリア
エジリア

多くの資源に恵まれた清水地区

――「清水」駅周辺のまちの魅力をお教えください

山野井さん:地域資源ですね。富士山を見られることや海に近いということ、それから食資源、伝統文化といった、清水ならではの資源が非常に豊富にあると思います。

――これから清水にお住まいになられる方へのメッセージをいただけますでしょうか

小田さん:計画によって、まちなかや駅周辺が非常に充実してきています。一期で行った再開発に加えて、現在進められている計画も完了すれば、居住のしやすさはさらに向上していくと思います。商業施設等の整備や商店街の活性化の下支えをすることで、利便性のアップも支援していきたいと思っています。

山野井さん:市として、無いないものを生み出すのではなく、今あるものをいかに磨いていくかということを推進しています。清水地区でも地域資源を活かして魅力を高めていきますので、是非来てみてください。

小田さん:もちろん外から来て頂くだけでなく、今お住まいの方にも、実際にまちなかが賑わっていくのを実感して頂いて、満足度の向上にもつなげていきたいと思っています。

山野井さん:市民の皆さんに、この街を愛して誇りを持って頂けるような、そんなまちづくりを今後も進めていきたいと思っています。

清水駅
清水駅

静岡市清水区インタビュー
静岡市清水区インタビュー

静岡市役所 商業・まちなか活性化係

山野井伸吾さん、小田裕康さん
所在地:静岡市清水区旭町6-8
TEL:054-354-2306
URL:http://www.city.shizuoka.jp/268_000061.html
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。