産学官民が連携し、みんなの想いを込めた街づくりを

静岡の中心部である静岡エリアと清水エリアの間に位置する草薙の街。緑にあふれ、文教エリアとしても知られるこの街では、今再開発事業が進められています。それをきっかけに、産学官民が一体となって草薙の将来像を考える議論の場として発足した組織が「草薙駅周辺まちづくり検討会議」です。今回は検討会議の場にお邪魔して、検討会議の委員を務める有度地区連合自治会相談役の春田光三郎さんと、地元の「草薙商店会」会長で同じく会議委員を務める山本洋平さんに検討会議の概要と草薙のまちづくりについてお話を伺いました。

将来の草薙をみんなで考えるために発足

草薙駅周辺まちづくり検討会議
草薙駅周辺まちづくり検討会議

――『草薙駅周辺まちづくり検討会議』について教えてください

春田さん:JR「草薙」駅の南側は土地区画整理事業が行われてから20年近く経ち、今再開発ビルの建設や駅舎の改築など、再開発事業が進んでいます。そうした中で将来の草薙を考える場として2014(平成26)年に『草薙駅周辺まちづくり検討会議』が発足しました。再開発事業というと行政が勝手に進めてしまうイメージがありますが、同会議は「産・学・官・民の連携」がテーマの一つにあります。開かれた会議で誰が参加しても構いません。

――「草薙商店会」はどのように関わっていますか?

山本さん:会議には行政(静岡市都市局都市計画部清水駅周辺整備課)をはじめ、大学や自治会、企業、金融機関など、草薙に縁のある各方面の有識者が一堂に集まっています。今でこそ慣れましたが、錚々たるメンバーに当初は「私が入っていいのか」と思ってしまうほど緊張しました。その中で私たちはボトム側のプレイヤーとしての立ち位置で参加しています。地域により近い私が入ることでトップダウンではなく、ボトムアップ式で身のある会議をやっていこうということです。また行政や自治会など各方面との接点が多いことから、つなぎ役みたいな役割をすることも多いですね。

草薙商店会会長の山本洋平さん
草薙商店会会長の山本洋平さん

みんなで作り上げたビジョンと理念

草薙駅周辺まちづくり検討会議の様子①
草薙駅周辺まちづくり検討会議の様子①

――『草薙駅周辺まちづくりビジョン』について教えてください

春田さん:「まちづくりビジョン」とは、居住者・来街者・商業者・事業者・学校・行政など、「草薙」駅周辺に係わるすべての人が“将来の草薙駅周辺に対する目標と想い”を共有しながら、「草薙」駅周辺のまちづくりを進めていくための手引きとして取りまとめたものです。

山本さん:親世代から孫世代まで、草薙の思いや姿を代々継承していくことが重要だと考え、目標期間はまちづくり活動のスタートとして短期5年間、発展期間として中期10年間、維持・継続期間として長期40年間と3つのステップを設定し、JR「草薙」駅を中心として概ね1キロメートル範囲(徒歩圏)を対象範囲としました。

春田さん:ビジョン策定後は、「あるべき姿」の実現に向け、従来の行政サービスや個人活動、ボランティアでは限界があるため、各種取組みを一体的に運営管理する、産学民官が連携した体制づくりを進めています。また、エリアごとの地域の特性に合わせた具体的な取り組みを実行していくため、サブエリアを設定して、エリアごとに「グランドデザイン」の検討を進めています。

「草薙まちづくりニュース第2号」より引用
「草薙まちづくりニュース第2号」より引用

――まちづくりの理念について教えてください

山本さん:ビジョンやイメージを検討した後に、アンケートやオープンハウスでのヒアリングも行いました。その結果、「安心・快適」「まちのにぎわい」「健康」「文教イメージの醸成」「まちの魅力の向上」といった、多くの街の声も集まりました。

春田さん:そうした中から導き出されたのがまちづくりの理念「次代につながる選ばれる街~草薙駅周辺に住む人、来る人、みんなが主役~」です。それがどんな街なのかを具体化したのが「緑につつまれながら~「緑」と暮らす街~」、「知を創造する~「文教」の街~」、「ほっとする~「安全・安心」な街~」、「コミュニティを、未来へ~「にぎわい」のある街~」の“草薙らしさ”を取り入れた4つのあるべき姿です。

地域全体がつながり、盛り上げる草薙の街へ

草薙駅周辺まちづくり検討会議の様子③
草薙駅周辺まちづくり検討会議の様子③

――アンケートやオープンハウスヒアリングを実施されたときの感想を教えてください

山本さん:アンケートは「草薙」駅周辺の地域住民へ全戸配布しました。オープンハウスヒアリングは「くさなぎフェス&草薙マルシェ」という産学官民一体のイベントがあり、その中のブースで行いました。その際に行政の人たちと県立大学の教授、研究生が協力して作った模型を置いたんですね。たくさんの人がその模型に興味を持ってブースに立ち寄ってくれました。そこですかさず「草薙のまちづくりをどう思いますか」とヒアリングをしてたくさんの声が集まりました。思ったのは、みんな自分の街に関心があるんだということ。学区でいうと有度(うど)地区になりますが、そこには約36,000の人たちがいます。その人たちが興味を持っていることが如実に結果として現れたんですね。これにはすごく勇気づけられました。検討会議が続けられるのもこのような地域の方々の後押しがあるからだと思いますね。

静岡市清水駅周辺整備課「草薙駅周辺整備事業」より引用 ※イメージパースは現時点のイメージです。
静岡市清水駅周辺整備課「草薙駅周辺整備事業」より引用 ※イメージパースは現時点のイメージです。

――今後の目標を教えてください

山本さん:商店会の会長としては、商店会独自の努力ももちろん必要だと思います。ただ今草薙は地域全体で「つながるね、草薙」というひとつのキーワードで動いているような感じです。まず行政の方たちがとても熱い思いを持って街づくりに取り組んでいます。それに続いて民間企業や大学、自治会、商店会、そして地域住民も、みんなが同じ方向を向いている。「全国から視察がくる再開発モデル」を合言葉に、草薙は全員参加型の街づくりを進めています。つながりのある街ならはぐれる人もきっといない。お年寄りも、子どもも、子育てをするお母さんも、安心して楽しく暮らせるそんな街になっていけたらと思っています。

春田さん:昨年「JR草薙駅北口グランドデザイン研究会」を開催し、JR草薙駅北地区のまちづくりの構想を、周辺で暮らす方々と一緒に考えました。今後は研究会でまとめた「まちづくり計画」実現に向けて、産学官民の役割分担とその実施に向けた検討を進めていきたいと思っています。

環境に恵まれた静岡のビバリーヒルズ

草薙駅周辺まちづくり検討会議の様子④
草薙駅周辺まちづくり検討会議の様子④

――草薙エリアの魅力を教えてください

山本さん:まずアクセスが便利ということ。JRと静岡鉄道が通り、「静岡」駅や「清水」駅には10分足らずで到着します。また、緑にあふれた街でもあり、有度山、竜爪山などの山々や日本平など、自然にも恵まれています。近くには「静岡県立大学」や「県立美術館」のある文教エリアとしても知られ、2018(平成30)年には「常葉大学」が新キャンパスを構えることも決まっています。暮らしやすい環境で「静岡のビバリーヒルズ」と呼ぶ人もいます。街づくりが進むことで、もっともっと面白い街になれると思っています。

静岡県静岡市清水区インタビュー
静岡県静岡市清水区インタビュー

草薙駅周辺まちづくり検討会議

有度地区連合自治会相談役 春田光三郎さん
草薙商店会会長 山本洋平さん
※写真は山本洋平さん
事務局: 静岡市 都市局 都市計画部 清水駅周辺整備課
TEL : 054-354-2017
URL: https://sites.google.com/site/kusanagikentou/home
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。